ちひろのゆめ日記

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浅草の浅草寺にある五重塔が一番高く外国人にも人気って本当?

最近増えている外国人観光客にも人気の浅草の五重塔。 ”五重塔とは?”からはじめて、その歴史、特徴、見どころ、建物内部にあるもの、などなど、浅草寺(せんそうじ)の五重塔のすべてを、もれなく紹介します。

 

五重塔を詳しく教えて!

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仏舎利塔

仏教の神様に当たるお釈迦様の遺骨を納めている仏教建築物を、仏舎利塔(ぶっしゃりとう)と言います。仏教の発祥地のインドではストゥーパと呼ばれるドーム形をした建築物でした。

ストゥーパ卒塔婆

ストゥーパは、やがて中国にわたりますと、ストゥーパサンスクリット語) は音訳されて、漢語の”卒塔婆”になりました。略して、塔婆や塔も使われました。

中国で高層化

ストゥーパは中国で、ドーム形から高層化した建築物となりました。13層や7層の仏舎利塔、多宝塔として多くが現存しています。


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五重塔仏舎利塔

中国の高層化したストゥーパが日本に伝わり、五重塔や三重塔というかたちになりました。
ですから、五重塔はお釈迦さまの御遺骨を納める、仏舎利塔の1つの建築形式なのです。

日本の卒塔婆

日本でも卒塔婆という言葉が使われます。お墓の後ろに立てる、追善供養のための木の板ですが、ストゥーパの簡略化されたものと考えられます。

浅草寺五重塔の歴史

浅草寺五重塔は、天慶5年(942)平 良兼の長子で武将の平公雅(たいらのきんまさ)が本堂とともに建立しました。その後何回も倒壊や炎上しましたが、その都度再建されました。

天慶5年(942)平公雅建立
長久2年(1041)大震災にて倒壊
寛永元年(1624)修復、同8年炎上、同12年再建、同19年炎上
慶安元年(1648)徳川家光再建、元禄5年(1692)修復
享保4年(1719)明治19年(1886)修復
明治44年(1911)国宝指定
昭和20年(1945)3月10日 東京大空襲にて炎上

昭和48年(1973)11月1日 塔院とともに再建

平成28年(2016)6月より 外部補修工事中、29年9月までの予定

浅草寺五重塔の特徴、見どころ

鉄筋コンクリート製で「塔院造り」

昭和48年に再建された現在の浅草寺五重塔は火災などの自然災害に強い鉄筋コンクリート製になり、五重塔の周りを囲む回廊式塔院の上に五重塔を建てる「塔院造り」になりました。

現在の五重塔は、以前の塔の西側に建造され、前の塔よりも15メートル高い 48.32メートルの高さ(地上53.32メートル)になりました。京都東寺の五重塔次ぐ高さです。

五重塔の塔頂には、きらりと光る”相輪”


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相輪

五重塔の塔頂には、きらりと光る「相輪(そうりん)」が立っています。中心の棒の先には宝珠(ほうじゅ)と竜車(りゅうしゃ)の2つの玉がつきます。その下に水煙(すいえん)と言われる炎をデザインしたもの、その下には、丸い輪が9つ連なっている九輪(くりん)があります。

相輪は、本来お釈迦様を炎暑や熱風などから守るための、ストゥーパの上につけられた傘蓋に相当するもので、ストゥーパを象徴しているものと言えます。

仏舎利五重塔の最上層に

仏舎利(お釈迦さまの御遺骨のこと)は昭和41年(1966)に、スリランカの イスルムニア王立寺院より譲り受けたもので、五重塔最上層の第5層に納められています。

五重塔は日没後にライトアップされる

浅草五重塔

五重塔は雷門とともに毎日日没後にライトアップされています。朱色を活かしたライトアップで、ひときわ存在感を増しています。昼とは違った夜の五重塔もすばらしいです。

五重塔の建物内部にあるもの

霊牌殿などがあります

・塔の一番下は、塔を囲むように作られた塔院になっています。塔院には1室に1体の観世音菩薩像が置かれた霊牌殿があります。像の周りには信徒の永代供養の位牌が置かれています。

・2-4層には信徒たちが奉納した五輪塔が置かれています。霊牌殿、回向室、寺務所などもあります。

・最上層の第5層には、既に紹介した仏舎利が納められています。

浅草寺にはお墓がなく、霊牌殿がある

浅草寺には通常の寺院のような、檀家のためのお墓は設けられていません。そのため、信徒のために永代供養の位牌を霊牌殿に安置しているのです。現在では、1万数千の位牌が納められています。

浅草寺五重塔へのアクセス

地元の人はバス利用も可能ですが、地元以外の人は電車利用が非常に便利です。多くの線の駅が近くにあります。
車利用の場合は、浅草寺専用の駐車場設備はありませんので、近くの駐車場を利用することになります。

4つの駅から近い

東武スカイツリーラインの浅草駅より徒歩5分
東京メトロ銀座線の浅草駅より徒歩5分
つくばエクスプレスの浅草駅より徒歩5分
都営地下鉄浅草線の浅草駅A4出口より徒歩5分


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五重塔の心柱について

五重塔の心柱

最後に、資料を調べていて知った、五重塔の心柱についての、おもしろ話を御紹介して終わりとします。

すべての五重塔は建物の真ん中に心柱というものが通っていて、心柱の下は地面に固定されておらず、宙吊り状態にあります。そして、このことが地震に対して制振作用があり、いまだかって地震で倒壊した五重塔はありません。

このように思っている人がほとんどでは、ないでしょうか?大部分はその通りなのですが、心柱は宙吊りになっている、という点は正しくありません。

もともとは、心柱は地中や地上の基石に固定されていたのです。それが、年月が経るにつれて具合の悪い点が出てきて、それを改善するために宙吊りの方法が考え出された、ということです。 江戸時代後期以降に建造された五重塔だけが宙吊り方式なのです。焼失した谷中の五重塔が宙吊り方式の初期のものだそうです。

理論的に完全には未だ解明されていないようですが、固定式も宙吊り式も、地震に対して優れた制振作用があることは間違いないようです。

ところで、鉄筋コンクリート製になった浅草の五重塔に心柱があるのかどうか?、あるとしたら宙吊り方式なのか?、 筆者には確認できていません。一度浅草へ行って確認したいものです。