ちひろのゆめ日記

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ラマダンってなに?ラマダンにおけるイスラム教徒の断食について

イスラム教信者の方にとってラマダンに行われる断食は重要な義務です。ラマダン、断食は聞いたことがあっても実際の意味や内容は非イスラム教徒の方にとってはわからないことがいっぱいです。

ラマダン₌断食ではない!

イスラム教関連の話題を調べていればラマダンというキーワードを聞いたことがあると思います。ラマダンはイスラム教徒の方にとってお祝いの行事ではあるのですが、本来イスラム社会で使う暦法ヒジュラ歴の第9月のことです。別の表記ではラマダーンともいいます。

ラマダンの日の出から日没の間まで行われるイスラム教徒には重要な義務を断食(サウム)といいます。ラマダンはあくまでヒジュラ歴における月の名前であり、断食を表していないので注意しましょう。

ラマダンの断食の起源

624年、ムハンマドがメッカの大規模な商隊を当時300人ほどであった信者全員と一緒に襲おうとし、それを阻止しにやってきたメッカの部隊を返り討ちにできたことを記念して始まったと伝えられています。

ラマダンにおける断食の意味

ラマダンの時期に断食が行われる理由に関して、多くの説があります。考えられる例としては、家族とのコミュニケーションを深くする、食べ物のありがたみを知る、貧しい人の境遇に思いを馳せる、忍耐力を身に着ける、神に対する信仰心を深めるなどです。

ラマダン開始の時期っていつ?

ラマダン開始の時期は肉眼で新月新月を確認したときに発表されます。2016年は6月6日から7月5日まででした。イスラム歴は太陰暦を採用せず、太陽暦で数えられるため毎年約10日ほど時期が早まるといわれています。なので、2017年は5月27日から6月25日までです。

しかし、天候が悪く新月を肉眼で確認できない場合があると開始時期が1日ずれます。実質は当日にならないと日程がわからないそうです。白夜の地域に関しては近隣諸国の日の出・日没の時間に合わす等の調整も行われます。

ラマダン時の断食の時間帯

ラマダンの期間の断食の際、30日間断食をしないといけないのですが、30日間飲まず食わずという訳ではありません。断食の時間は日の出から日没、正確にいうと夜明け前のお祈りの時間(ファジュルといいます)から日没後のお祈りの時間(マグリブといいます)までです。なので、日没後から日の出までは食事をすることができます。

ラマダン時のイスラム教徒の主な食事

多くのイスラム教徒がラマダン時には断食をし、日の出前にスフールと呼ばれる食事をとります。断食を乗り切るためにスフールは重要であるとされています。スフールの例としては卵やヨーグルト、水分補給などが挙げられます。

日没後にとる食事をイフタールといいます。その際の食事は水、ジュース等の水分、ナツメヤシの実、お菓子などの軽食をとり、その後でメインの食事が始まるそうです。イフタールは家族や友人が集まり、共に食事を楽しみます。

およそ30日間の日中の断食が終了すればイド・アル₌フィトルといってラマダンの終了を盛大に祝う大祭が行われます。

ナツメヤシ

断食後の食事イフタールの一例:ナツメヤシ

どうしても水分補給したいとき

ラマダン時の日の出から日没までは断食をしないといけないのですが中東諸国は乾燥していて水分補給ができないと大変なことになるのではと思いますよね。これに関しては日没後から日の出までが飲食可能なわけですので、日中は水すら飲むのも宗教上タブーとされています。

断食期間中に禁止されている行為

ラマダン時の断食期間中に禁止されている行為は飲食、喫煙、投薬(健康上に支障をきたす人は免除される)、性行為、道路に唾を吐くなどです。

子供の場合の断食はどうする?

ラマダン時の断食は成人のイスラム教徒にとって義務と考えられていますが、イスラム教徒の子供の場合はどうなるでしょうか。国によって考え方が異なるのですが、およそ小学生くらいから始める国が多いようです。

完全な断食ではなく、一定の時間を決めてまずは断食を始めます。諸説あるのですが、だんだん慣れてきて子供が10歳くらいになったら完全な断食を始める家庭が多いのだそうです。

イスラム教徒にとってのラマダ

イスラム教徒の外国人が、イスラム教徒が多数の国に滞在しているときは外での飲食を自粛しないといけない場合もあります。イスラム教が主体の国ではラマダン時、飲食店が営業を控えていたり、銀行や役所が通常よりも早く営業を終了するため非イスラム教徒でもその地域に配慮する必要性があります。

厳格なイスラム法を採用しているサウジアラビアでは、外国人が公共の場で飲食や喫煙をした場合、国外追放すると発表しています。

日本におけるイスラム教徒の断食

日本にはイスラム諸国出身の方も多くいらっしゃいます。在日の方はラマダン時はどのように過ごすのでしょうか?多くの在日のイスラム教徒の方は日本でもラマダンの時期に合わせて断食を行うそうです。例えば、どうしても残業でイフタールまでに家に帰れない場合は、日没に合わせて水を飲んだりして工夫している方もいます。

日本社会での断食の理解

イスラム諸国ではラマダン時は会社、小学校、中学校、高等学校は15時までに終わるところが多数です。日本ではそのようなわけにはいかないのですが、断食中のイスラム教徒の社員に対する理解を積極的に深める企業はあります。例として、断食中のイスラム教徒の社員の周辺では食事を控えるようにするなどです。

しかしながら、まだまだそのような企業は多くないのが現状だそうです。

断食の例外パターン

断食の際、事情によっては例外となるパターンもあります。それは、旅行者、重労働者、病人、妊産婦、高齢者、乳幼児などです。これらの方は、体に悪影響を与えるまで断食をする必要がないといわれているからです。

イスラム教徒の方にとって断食は重要!

暑い時期であっても日中は断食をしないといけないとなると体調は大丈夫なのと心配になります。でも、多くのイスラム教徒の方にとっては食べ物のありがたみなど感謝するために当たり前だと思っている方が多数だそうです。私たちも食べ物のありがたみ、健康に感謝して日々過ごしたいですね!