ちひろのゆめ日記

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これがイスラムの女性の日常の姿だ!

イスラムの女性に対するイメージはどのようなものでしょうか?街中を全身ベールに包んで歩く人々。家の中でも男性に対してまるでご主人様に仕えているかのような立場。そのようなものかもしれません。ここではイスラムの女性の日常を見ていきましょう。

イスラムの女性の服装のイメージと理由

イスラム女性の服装に対するイメージ

最初にも触れたように、イスラムの女性のイメージとしてよく取り上げられるのが、ベールなどのような全身をすっぽり覆っている服装です。これを見ると、「イスラムの女性って、街中でありのままの姿を見せることができなくてかわいそう」と思う方、あるいは「こんなに姿を覆い隠すような衣装を女性に強制するなんて、イスラムの社会は女性に冷たい」と感じる方も多いのではないでしょうか。

女性が生活していけるために

 
この全身を覆う服装にはそれなりの理由があります。まず、気候面の理由です。イスラムが発生したのは中東のアラビア半島においてですが、半島の大部分が砂漠です。砂漠では、強い日差しや強風にあおられる砂が生活していくうえで肌に悪影響を与えます。そこで、日よけや砂よけのために全身を覆う工夫が必要となったのです。
次に、宗教的な理由が挙げられます。イスラム聖典であるコーランや、コーランに書かれていることを日常生活の中で守るために作られたイスラム法で定められているのです。
そこには、女性が公共の場、特に男性のいる場では髪や身体の線などを隠すように書かれています。イスラムでは「人間が弱い存在である」という考え方が前提になっています。この考え方は、人の意思や理性も脆いということでもあります。そのため、男性が肌を露出した女性の前で理性を失い女性に危害を加えることがないように、女性の服装について定めてあるのです。
 

ブルカ

アフガニスタンの女性の民族衣装であるブルカ。

いろいろあるイスラム女性の衣装

全身を覆う女性の衣装は、国や地域、隠す範囲によっていろいろな種類があります。例えば、欧米のニュースでもよく耳にするブルカはもとはアフガニスタンの民族衣装で、隠す範囲も目の部分も含めた全身に及びます。目の部分には網が施されて見えるような工夫がされています。また、アバヤはアラビア半島の伝統衣装ですが、ブルカに比べ目と手足は見えているものです。
ただ、ドバイのような大都市では、女性が肌を露出することに寛容になるケースもあります。それでも、イスラム断食月であるラマダーンの間は決められた通りに肌の露出は避けますが。

イスラムの女性の結婚事情

実は女性に有利な結婚



イランの結婚式。男性よりも女性が多く並んでいる。

イスラムの社会で結婚は、1人の男性と1人の女性との間に交わされる契約とされています。
まず、結婚の段取りは、両家の女性の親族同士で取り決められます。一方、男性は結婚式や披露宴の準備といったあまり目立たない作業に取り組みます。
また、結婚の結納金は男性から女性に支払われます。結納金は離婚の時にも支払うことになり、その金額は結婚の時に比べると多くなります。そのため、離婚の結納金は女性にとっての保険の役割も果たしています。
結婚披露宴は男性と女性とで別に開かれます。女性の披露宴は大変豪華ですが、男性のそれは結婚式において裏方に回っている分、とても地味なものです。

結婚生活での男性と女性のお金の差

結婚生活では男性が生活費を賄うことがイスラム法で義務付けられています。これはイスラムの勢力が拡大に伴って、その担い手となった男性たちへの報酬として女性の倍の額の財産相続を認めたこと、女性とは別に財産を築く権利も保証されたことの交換条件になったことに由来するものです。ただ、男性と同じように女性も自分自身の財産を築くことができるうえ、生活費は男性が担保してくれるので、そういう意味では女性のほうが有利ともいえます。

イスラム社会の一夫多妻制の本当の姿



一夫多妻制の家庭。このような家庭はイスラム社会でもそれほど多くない。

イスラム社会についてよく聞くのが一夫多妻制です。
この制度は、もともとムハンマドの時代に他国との戦争で戦死した男性の未亡人や孤児を救済するための手段でした。しかしこの制度は、「どの妻も公平に扱うことができるなら」という条件のもとに許可されているものです。
実際、複数人の妻を肉体面、精神面、そして物質面で平等に扱うことは難しく、このため現代のイスラム国家の多くは、一夫一妻制を採用しているのが現状です。また、コーランももともと一夫一妻制を奨励していると解釈する人もいます。

イスラム社会の中の男性と女性の明確な区分

自由に財産を運用するイスラムの女性

イスラム社会では、男性の世界と女性の世界は明確に区分されます。
まず、イスラム社会では男性と女性とが個別に財産を持つことがイスラム法で保障されています。
さらに、イスラム社会では、都市部を中心に女性専用の銀行が開設されています。この女性専用銀行は、結婚生活を営んでいる女性たちが自分で築いた財産を持ち込み、それを元手に新たにビジネスを行う手段として利用されています。ちなみに、店長をはじめとするスタッフもすべて女性です。このように男性に気を遣う必要なく、自分自身の財産を自由に管理・運用することができるわけです。

 

教育や医療でも見られる男性と女性の区分

教育についても男子生徒と女子生徒は、教室から授業の時間、登下校の時間まで明確に分けられます。そのため、女子生徒に授業をする女性教員の必要性が高く、女性教員の養成が熱心に行われています。
同様の傾向は医療についても見られ、女性の治療のための女医の育成も盛んです。また、看護師についても男性と女性が同数必要とされており、大学の医学部でも男子学生と女子学生がそれぞれ同じくらい在籍しているほどです。
さらに、婦人専用の公園や女性専用の水泳場などのように男性が立ち入ることの許されない、いわゆる男性禁制の場所もイスラム社会の中には数多く存在します。

 

男性と女性の区分の影響

このように、イスラム社会での男女の区別は明確に区分されていますが、そのおかげで女性は男性の目を意識することなく、普段の生活での女性同士の交流や会話についても自由に発言することができています。
また、私生活のみならず、社会進出や自立が促されているという意味でも、この区分は女性にとって良い影響を与えております。なぜなら、男性の価値観とは無関係のまま、女性の枠組みの中で実力を発揮できる環境がそこにあるからです。

まとめ

イスラムの女性の日常を見てきましたが、いかがでしたか?
イスラムの社会は女性に優しくない社会とか、保守的といったイメージがありますけど、実際にいろいろ見てみると、こんなにも違ってくるものです。
日本人の私たちからすると、イスラムの社会というのは身近ではないのかもしれません。しかし、この記事をきっかけに少しでも興味や関心を持ってもらえれば幸いです。