ちひろのゆめ日記

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社交ダンス「ワルツ」~楽しく優雅に踊るための基礎知識~

社交ダンス「ワルツ」~楽しく優雅に踊るための基礎知識~

「ワルツ」は、社交ダンスのスタンダード各種目をマスターするときの基本となる踊りです。踊りやすい反面、上達のためには奥深いテクニックも必要になります。ここでは、社交ダンス初心者がワルツを楽しく優雅に踊るための基礎知識をご紹介していきたいと思います。

社交ダンスの基本「ワルツ」

「ワルツに始まり、ワルツに終わる」
社交ダンスを経験したことがある方は、こんな格言を耳にされたことがあると思います。
ワルツは、社交ダンスの競技種目10種類のひとつで、「スタンダード」に属します。
ワルツの歴史は、諸説ありますが、オーストリアやドイツで、13世紀ごろから、農民の間で踊られていた「ヴェラー」というダンスが起源だとされています。「ヴェラー」は、男女が体を接しながら回るという踊りで動きも激しいものだったようです。そのためか「汚らわしい」という理由で法的に禁止されていたのですが、これが農民の間で密に踊り続けられていて、16世紀になって都市に伝わりました。そこから、だんだんと洗練され品格化しながら、現在のワルツのかたちになっていきました

社交ダンス「ワルツ」の概要

「ワルツ」には、「まわる」という意味があり、日本語でも「円舞曲」と表現されます。
3拍子の音楽に合わせて、リーダー(男性)とパートナー(女性)が、コンタクト・ホールド(向かい合って組んだ状態)で、回転するステップを多用して、フロアを反時計回りに進んでいきます。
フロアを反時計回りに移動するのは、社交ダンスでは大原則で、この方向線を「LOD(Line Of Dance)」といいます。
ソロ・デモンストレーションと呼ばれる1組だけで踊る場合は、あえて、LODを守らないことで意外性を出すこともありますが、パーティや競技会など、複数のカップルが同時に踊る時は、衝突事故を避けるためにも、必ず守らなければなりません。

スローワルツとヴェーニーズワルツ

ワルツには、「スローワルツ」と「ヴェーニーズワルツ」(ウインナーワルツ)という2種類があります。どちらも、競技ダンスのスタンダード部門に属し、日本で「ワルツ」というと、「スローワルツ」を指しますが、海外では「ヴェーニーズワルツ」のことを指すという違いがあります。
競技会や選手権などでは、最初に踊るファーストダンスとなることが多いため、カップルのイメージづけになる種目だともいわれています。

「スローワルツ」と「ヴェーニーズワルツ」の最も大きな違いは、音楽のテンポ(速さ)です。
社交ダンスでは、曲のテンポ(速さ)の単位をMeasures Per Minute(MPM)「1分あたりの小節数」で表します。
「スローワルツ」の場合、MPM=30、つまり1分間に30小節ですが、「ヴェーニーズワルツ」は、MPM=60と倍のテンポで踊らなければなりません。
そうしたこともあって、「スローワルツ」のステップの種類は、基本となるベーシック・ステップが30種類あり、これらのベーシック・ステップのタイミングを変えたり、回転量を変えたりしてバリエーション・ステップとして組み合わせます。しかし、「ヴェーニーズワルツ」のステップは4種類だけで、バリエーションを作らないように協定されています。

ワルツ

カップルの雰囲気が最も伝わる社交ダンスの基本「ワルツ」

ワルツを優雅に踊るための基礎

ワルツに限らず、社交ダンス全般に通じる、身につけるべき基本があります。
ワルツを楽しく優雅に踊るための基礎知識にも通じますので、ぜひ覚えておいてください。

ナチュラルとリバース

社交ダンスでの「ナチュラル」は「右回転をしながら動作すること」を指します。そして「リバース」は「左回転をしながら動作すること」になります。
単独の足型「ステップ」をいくつか組み合わせて一定の形になったものを「フィガー」といい、フィガーを連ねて作られた一連の踊りを「ルーティン」といいます。要するに、すべて「どのように踊るか」ということを表現しているのですが、この踊り方を表現するときは、すべて、リーダー(男性)のステップを基本にして表現します。
ですので、向かい合っている女性の場合は「ナチュラル」が「左回転」「リバース」が「右回転」になります。

ホールド

社交ダンスでは、実は、この「ホールド」が最も難しいといえるかもしれません。このホールドが決まるかどうかで、踊りが美しいかどうかが決まると言っても過言ではありません。

男性の左手と女性の右手は手を握ります。グリップと呼ばれ重要なポイントです。互いの力加減としては、「卵を握っているつもりで」と言われることが多いです。
つまり、強く握り過ぎると卵は割れてしまいますし、緩むと卵を落としてしまいます。
初心者の間は、どうしても、相手を支えにしようとしてしまいがちですので、力を入れ過ぎだり、逆にしっかり握れずに不安定になったりしがちですが、自分の体勢が決まってくれば、おのずとグリップの力加減も身についていきます。

そして、男性の左手は、女性の左肩甲骨の上に添えるように置きながら、しっかり女性を支えます。
女性は、男性の左手に軽くもたれるようにして、肩甲骨あたりから、後ろに反るようなかたちになります。そして左手を男性の右腕の上から置くように添えます。この時、男性の右腕を掴んだり、抱え込むような体勢にならないことが重要です。
この姿勢を維持しながら踊ります。

正しいホールド

社交ダンス、スタンダード種目「ワルツ」「スローフォックス・トロット」「クイックステップ」「ヴェーニーズワルツ」での正しいホールド。「タンゴ」のみホールドの仕方が変わる。

基本は歩くこと

社交ダンスは「歩くダンス」です。私たちが普段、歩いているのと同様、右足、左足を交互に出して前進する、あるいは後退するという動きが大原則なのです。ですから、実際にカップルになって、さまざまなステップ、フィガー、ルーティンのレッスンに入る前には、しっかり「ウォーク」を練習することが上達の決め手ともいわれています。
地味なレッスンですので、飽きもきてしまいますが、このウォークのときに、足裏、足首、膝、股関節の使い方や足のスイングといったことをしっかり身につけることが重要です。

膝、股関節、足の使い方

何年か経つと、膝の痛みや故障を理由に、社交ダンスを断念される方があります。この膝への影響は、長年の間違った使い方による弊害の蓄積が原因であることが多いようです。
基本的に「膝は曲げることしかできない」ということをしっかり自覚することです。特にワルツなど回転するフィガー、ターンが多いダンスで、「膝が回せる」と誤解する方が多いようです。膝は前にしか曲げられず、回すことができる部位は、股関節と肩甲骨、骨盤と足首、手首、首です。
ターンは、骨盤や足首、股関節を使って行うものなのに、膝を回そうとして、故障の原因を作ってしまうことが多いので注意しましょう。

股関節は、少し緩めた方が踊りやすいですし、おなかを引き上げ、骨盤を前に押し出すようにすることで相手とのコンタクトも取りやすくなります。

また、足は、足のつけ根、腰の下からではなく、鳩尾からが足だとイメージすることが大事です。そもそも足の筋肉は、鳩尾あたりまで、大腰筋という筋肉でつながっています。足を振りだすとき、その大腰筋のはじまりの位置、つまり、鳩尾から意識して振りだすと、スムーズに力強く振りだすことができ、堂々として優雅な踊りにつながるのです。

スタンダード ワルツ

リーダー(男性)のリードとパートナー(女性)のフォローが嚙み合ってこそ、社交ダンスの醍醐味

社交ダンス「ワルツ」必須テクニック

回転するダンスであるワルツ。女性のドレスのスカートが大きく回るのが、さらに優雅さを強調してくれます。ワルツの特徴は、この「回転」と「優雅さ」です。そしてこの特徴をより効果的に見せるためのふたつの大事な技術があります。
「大きなスイング」と「ライズ・アンド・フォール」です。
そしてこのふたつの技術、テクニックは別々のものでありながら、実は、互いに大きく影響し合うものでもあるのです。

ふたつのテクニックの相乗効果

スイングとは、「揺れる」「揺らす」「振る」という意味です。
社交ダンス・スタンダードの5種目、ワルツ、タンゴ、スローフォックス・トロット、クイックステップ、ヴェーニーズワルツのうち、タンゴを除く4種目は、「スイングダンス」と言われ、文字通り「揺れるダンス」だということです。レッスンの時などに、「しっかりスイングかけて!」とか「スイングして!」とよく使われる言葉です。
スイング=「揺れ」というと、横揺れだけをイメージしがちですが、それだけではありません。
大きなスイングを見せるためには、上下の動きも組み合わせる必要があり、その上下運動が「ライズ・アンド・フォール」です。
「ライズ・アンド・フォール」をマスターすれば、大きなスイングができるようになります。
これは、タンゴ以外の種目では絶対に使わなければならないものですから、社交ダンスの基本であるワルツでマスターしておけば、スローフォックス・トロットやクイックステップといった中級、上級のダンスに進んだときにも必ず役立ちます。

「ライズ・アンド・フォール」

「ライズ」とは、浮かび上がる、上がる、高くなるという意味で、「フォール」は、「ロアー」とも言われ、低い位置のことをさします。
体をぐーっと引き上げ、足の筋肉も上に伸ばし、かかとを上げる、この動作が「ライズ」です。
このライズした高い位置というのは、次の運動を起こすためのエネルギーをためている状態です。
従って、この「ライズ」の状態が大きい、つまり高ければ高いほど、次のステップへの力強さややわらかさが作り出せるわけで、ワルツでいえば、優雅さの表現につながります。
しかし、人が伸びあがるのには限界があります。
そこで、ライズの状態をより大きく見せるためには、「ロアー」の状態をどこまで低い位置まで下げることができるかが、ライズを高く見せるテクニックになります。

さらに、「ライズ・アンド・フォール」と表現されるように、この動作は、連続して行うものですから、足首、膝、腰、肩甲骨といった部位を必要に応じて使い分ける必要があり、身につくまでは、かなり難解に感じます。でも、「ライズ・アンド・フォール」がしっかりできるようになれば、自然と大きなスイングがみせられるようになり、美しく、優雅なワルツが踊れるようになることは間違いありません。

セルフ・トレーニングで差をつける

限られたレッスン時間の間で「ライズ・アンド・フォール」のような基礎練習に時間を割くのは、もったいないというのが、教える先生も教わる生徒も共通の思いです。しかし、こうした基礎ができていなければ、どれほど素晴らしいルーティンを組んでも、優雅なワルツは踊れません。
レッスンのときは、ステップやフィガーの注意点、カップルダンスならではの呼吸や間合いなどをしっかり学ぶとして、基礎的なテクニックは、自主練、セルフ・トレーニングで体得していきましょう。
ここでは、「ライズ・アンド・フォール」に必要な力を強化する運動をご紹介します。

1.壁に面して立ち、両手の指先を軽く壁に当てておく。
2.ヒールを上げられる限り高く上げてトーで立ち、体を真っすぐにする。 [ライズ完了]
3.ヒールを降ろす。 [ロァーを始める動作]
4.膝を少しずつ曲げて前に出す。大きすぎないように。[ロァーの動作]
5.体は低い位置に保ったままで、ヒールだけを高く上げる。[ライズを始める動作]
6.膝を伸ばして最初の高さにもどる。[ライズの動作]

*両足で楽にできるようになったら片足で行う。

 

千里の道も一歩から

社交ダンスという動きのあるものを文字だけでお伝えして、理解していただこうというのは、なかなか難しいものですが、美しい動きには、美しく見えるだけの原理、原則があり、そういう意味では、社交ダンスの理論は、非常に理にかなったものです。

だからと言って、理論がわかっているだけでは踊れません。
さまざまなステップやフィガーを音楽にのせて踊ることは、「理屈抜き」で楽しいものですから、その楽しさも十分楽しんでいただきたいと思います。

でも、少しキャリアを積んだら、踊りながらも、理論にあっているか、間違った動きをしていないかを確認することで、より技術も向上しますし、自分自身も、お相手のパートナーやリーダーも心地よく、楽しく踊れることにつながります。

千里の道も一歩から。優雅なワルツも正しい1歩から始めていきましょう。